コラム
ヒノキについて
Posted on 2015/10/26
コラム
ヒノキは、もっとも古くから使われている木です。奈良の法隆寺を始め、東大寺など神社や建築・家具に使われ、昔は位の高い者にしか使えなかったくらい、木材の中でも代表的で高級とされてきました。
ヒノキは針葉樹の大高木で、心材(赤味)は赤褐色や淡黄色もあり、辺材(白太)は淡黄白色で区別がつきにくいことがあります。木の繊維の配列(木理)は通直で、「木の目が詰まっている」と職人さんがいうこの事です。神社や寺にも使われるほど保存性や腐朽性が高く、水湿にも強いのでお風呂や桶にも使われています。狂いや反りも少ないことから加工や表面仕上げや塗装は容易で、家具や建具、曲げ物、彫刻と幅広く使われています。
平成20年には縁結びとして有名な出雲大社も60年に一度の改装がなされ、ヒノキ材が使われました。
分布地・生育地
ヒノキは杉と並んで多く生育しており、本州の福島県以南から本州・四国・九州に分布していますが、広く各地に植林をされています。その代表が、木曾ヒノキで木曾五木の一つです。
言葉の由来
昔はひのきの木をすり合わせて火を起こしたことから、火(ひ)の木(き)と名付けられたそうです。
またヒノキが寄り添って生育していることから「木へんに会う」から「桧」の字とあてられたと言われています。
心地よい香り
ひのきの心地よい香りが人気なのはもちろんですが、私達の暮らしの中でもっとも快適に健康に過ごすパワーをもっています。
森林に入るとすがすがしい気分になり、思わず深呼吸をし、かすかな香りを感じられることはないですか。あれが、フィトンチッドです。ヒノキの芳香にはピネン・カジノールというテルペン類の物質が含まれており、このテルペンを浴びることにより、森林浴効果をもたらし、心身ともにリフレッシュ・心を和らげる効果があるのです。他、疲労回復・血圧低下・生体鎮静効果など様々な効果が研究により実証されています。
また、このフィトンチッドは、ダニや白アリの繁殖と行動を抑制する防虫効果の働きがあります。
木肌
年輪はハッキリしませんが、仕上げ加工をすると美しい光沢と艶を増します。 薄いピンク色で清潔感があり、さわり心地もツルツルなめらかな肌触りです。
強さ
ヒノキは伐採されてから、200~300年で強度を徐々に増していきます。その後、1000年という歳月をかけ、伐採時の強度に戻ります。その強度と耐久性は、1300年も建ち続ける奈良法隆寺が物語っています。
また熱伝導率が低い為、火を付けても表面だけが燃え中心部までは燃えないので、火災などに強い優れた材料なのです。
木造住宅の家が燃え広がるのが早いのは、住宅内のドアや家具・カーテンといった化学物質がたくさん使われたものが置いてあるからなのです。